スタッフや美容師さんに伝えるべきメッセージ
美容師”自立、独立”支援室 025
【 甘い計画、開業への無知 】
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店を出す。店を持つ。
少々のお金と信用さえあれば誰でも出来ることです。
かつて私は、店の開店のお手伝いをしていたことがあります。
年間で50、それを3年ほど
99%の店は、一応開店後に軌道に乗りました。
しかし、3つの店は開店後、直ぐに店を畳んだんです。
今日は、その第2話
【 甘い計画 開業への無知 】
埼玉県の大宮の駅から徒歩5分程度の商店街の2階に出店したケース。
店を出店したのは、都内のチェーン店で店長を務めていた30台前半の優しい人柄の人。
物件は居抜き
できちゃった婚で子供がまだ2歳、生活のために出店を決断。
夫婦の実家は資金的な援助ができるような状況ではなかったのと預金もほぼなく、公庫の借り入れだけが開業資金といった状況。
500万円程度の借り入れ。
物件取得に300万、入口周り、看板の工事に100万円
残りは100万円
物件取得料が高かったのは、保証金、前家賃、礼金の他に内装譲渡の費用を相手の言いなりに支払ったから。
お客を引き継げるだとか、スタッフ2名(1名は初級技術者、1名はアシスタント)は新店になっても働くといった話を信じた結果。
このため開店のための充分な広告もせず、また都内から埼玉への移動によって、それまで掴んでいた客を引っ張ることもできず、さらに残ったスタッフの売り上げは、一人分の給料を賄う程度。
そして引き継ぐと言っていた客は、売り払ったオーナーが同一商圏内に他の支店を経営していたので、そちらに引っ張られ残った客はわずかでした。
騙された。そう言っても何も始まりません。
状況を理解するや否やアシスタントの子には辞めてもらって
最小限のお金を使ってポスティング、ハンティング用のチラシを作ってせっせと広告をしたのですが、自分の給料も取れずわずか8ヶ月で残りのお金を使い切り店を閉鎖。
計画が杜撰(ずさん)だったことは言うまでもありません。
要は、開業に対する知識がなかったんです。
働いていたチェーン店と同様、店を開ければ客が来ると思っていんでしょう。また一所懸命尽くせば、業績は上がると思っていたんでしょう。
しかし、そこまで耐えられる運転資金がなかったんです。
その後、彼は知人の伝手でメーカーのインストラクターとして再就職。懸命に働き借金を返済。また仕事が認められ管理職として活躍しています。