【希望とは、人の中にある】

【希望とは、人の中にある】
灰谷健次郎氏と水上勉氏の書簡交換からなる『いのちの小さな声を聴け』(新潮社)という、私の大好きな本がある。
この本には灰谷氏の昔の教え子が登場する。
脳性マヒで、200メートルを40分かけて歩く少女である。
「あんな子、生きとってなんの楽しみがあるんやろ」と言われていた子である。
それが16年立ったある日のこと、灰谷氏は新聞紙上で、彼女と再会したのだ。
それは、母校で教育実習に取り組んでいる彼女の写真であった。
彼女の言葉「ただやりたいこと、好きなことををさせてもらっていると言った充実感がありました。
ハンディのある者が一人の人間として、社会のなかで自立していくには、本人の工夫もさることながら、周囲の人たちの固定観念を暖める寛容さと助けがどうしても必要です。
ハンディのある者が生きにくい社会は、ハンディのない者にとっても行きにくい社会であると思います」
灰谷氏は言う。
「お礼を言いたい。あなたとともに過ごした時間は、ほんのわずかだったけれど、あなたに励まされ勇気づけられたこと、あなたから学んだことは、永遠にわがものとして生きつづけと・・・・・。(再会して)うちなる可能性をひたすら生きるということによって、それを探り出してきた人間のすがすがしさに心打たれた。私は涙が出るほどうれしかった」
「希望とは、その人間の中にある」ということを。
私はよく思う。
自分の人生を考えながら、気負うことなく、落ち込むこともなく、自分以上でも以下でもない、あるがままの自分を見つめ、あせらず一歩ずつ前に進みたい、と。
こうしてマイペースに考えられるのはなぜか。
いつも、希望は自分の中に見いだすことができるからだ。自分の心を、よく見つめてみてほしい。
〝希望とは、その人の中にある〟
88の贈る言葉
慢心するな、生かされている感謝の気持ちを持て

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